西港のすぐ側に、緑の風景を一変させる不思議な遺跡があります。コンクリートの壁がむき出し、もとは建物の一部であった石やコンクリートの残骸が、枯れ果てた樹木とともに、静寂のときを過ごしています。まるでそこだけ異星のような、SFチックな雰囲気さえ漂ってきます。
ここは大正8年に建てられた燐鉱石貯蔵庫跡です。かつて、この島は燐鉱石の採掘事業が盛んでした。北大東島の燐鉱石は良質で、肥料や火薬、アルミニウムの原料に適していました。最盛期には出稼ぎ者の数で、島の人口が2,700人(平成22年1月現在の人口は527名)にまで及んだそうです。しかし、1976年に採掘事業は終了を迎え、以後この遺跡は、北大東島のみならず、日本の近代化をささえた歴史の証人として、静かにたたずんでいます。
(※石やコンクリートが風化してもろくなっているため、決して中には入らないで下さい)

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燐鉱石貯蔵庫跡

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