うふあがりの旅
J・TAPで行く沖縄最東端の島・北大東島

「うふあがり」聞きなれない言葉からその旅は始まった。

それが北大東島を指し、最東端の地だということをその後に知ることになるのだが、沖縄でも台風のお天気ニュースでよく見る島という印象が強い北大東島。実際にはどんなところだろうイメージすらつかないなか、旅はスタートした。

これから北大東へ出発しま〜す

これから北大東へ出発しま〜す

那覇空港14:10発。那覇から東へ約360キロの北大東島に向け、39人乗りのDAHS8型/RACで離陸。1時間10分の空の旅を楽しんだ。

久々のプロペラ機に少しドキドキしていたが、それほどゆれることもなくあっという間に窓から北大東島が見えてきた。初めて見る島の印象はちっちゃい。それもそのはず、島の周囲は約14キロ。歩いて一周できるあっという間の距離である。この小さな島にどんなお宝があるのが、自然と胸が高鳴ってくる。

空港に降り立つとまず驚いたことが三つ。一つ目は言葉では表せない不思議な空気感。時間の流れがそう感じさせるのか、フワッと穏やかな雰囲気に包まれる。二つ目は空港内の手荷物受取所。カウンターかと思ったら、手荷物受取所だった(笑)幅3m程の台。三つ目は見渡すと意外にうちなーんちゅ(沖縄人)顔がなかったこと。大抵の空港では沖縄便の搭乗口・到着口はいるだけで濃いなと思う顔立ちに囲まれ南国の雰囲気を味わえるのが通常だ。が、北大東島はそうではなかった。

夜は島中の人が集まってくれて歓迎会が行われた。島の子供たち中心で構成されえている「北署会」のみなさんが、八丈島出身の人たちから受け継がれてきた和太鼓を披露してくれた。

旅では「島とふれあい、ともに汗をかく、島づくり応援隊」そんなキャッチフレーズで募集され、東京や沖縄本島からいろんな人が集まった。程なく自己紹介を済ませ、バスに乗り込むとガイドの大城リエ子さんが島を案内してくれた。いよいよ島内周遊ツアーの始まりである。

初めに到着したのは島の民族資料館。そこで、この島が今から約4,800万年前に現在のニューギニア諸島周辺で火山島として誕生したという驚きの事実を知った。その後、4,200万年前に沈下し、フィリピン海プレートにのり、北上を続け、約600年万年前、隆起に転じて現在の位置まで長い旅を続けてきた(らしい)。沈降と隆起を繰り返しているのでハブのいない島としても名高い。今もなお、一年間に約5cmずつ沖縄本島へと移動を続けているそうだ。

「いつかは瀬底島や瀬長島のように橋で渡れる時代がやってくるのだろうか。」

そんな妄想をしながら、気がつくとバスは西港に向かっていた。夕陽にはまだ早い時間のころ、南大東島と岸壁に囲まれた北大東島の海を眺める。南大東島までほんの8km。飛行機でたった5分というその距離は泳いでも行ける気にさせる。聞くと、途中に海流の激しいところがあって、泳いで渡るには難しいそうだ。(が、行けなくはないともいっていた。)港には夕飯を調達するかのように釣り人がいっぱい。その中でも、結構な大物を釣っていた女の子が印象的だった。やっぱ釣りはいいな。

実はこの日、朝夕はホエールウォッチングが肉眼で出来たらしい。(残念)

北大東の港と朝陽

北大東の港と朝陽

島の子供たちによる大東太鼓

島の子供たちによる大東太鼓

北大東島の地は1903年に八丈島の開拓民が第一歩を踏み、その後沖縄からの移住も増え、両方の文化がちゃんぷるーされた(混ざり合った)独自の文化を作ってきた。そんな彼らの子孫である礼儀正しい島の子供たちの力強い伝統の演奏は、予想を裏切るほど迫力満点で一瞬にして会場を魅了していった。
※大東太鼓 北曙会動画もご覧ください。